毎度。いやもうギリッギリですが。biscoですが。
とういうことで先日の賽苑ゲーの二本目。
っていうか、もうゲムマまで日がないですけどどうすれば。
ともあれ、これだけはどうしても所感あげときたい。
「HAU LA -ハウラ-」もうね、ハンパないオモシロさ。早くも伝説必至の予感。
画像大量、超々長文でお送りします。
以下。
ということで。
もう既に概要やらは賽苑サイトにて紹介上がってますんで、
当ブログではそこからさらに踏み込んだ、
っていうか、普通にプレイしちゃった詳細な所感書きますんで。
つかね、知り合いだからヨイショとかそんなのでは全くなくて、
いやもうそれは
前回のマングローブを読んでいただければわかると思うんですが、
ともかくね、ハウラはすごい。マジでスゴイ。
なんせ類型が全く思い当たらない。何に似てる?って何にも似てない。
本人は
エッフェル塔ゲームに着想を得たとか言ってますが、
もう空中で3回転くらいして、アタマから着地してそのまま倒立してしまったくらい違う。
斬新だし、画期的だし、それでいて「曖昧な洗練」がある。
本当にスバラシイゲームだと思います。ゲーマーでも初心者でもオモシロと思える類。
つか、マストバイ。朝から並ぶべき。買えないと本気で後悔すると思う。
とまあ勢いだけで書き散らしたところで、まずはこの画像から。

ハウラのマニュアルです。表紙を見開いて置いてみた。
賽苑なので、もちろんのことグラフィカル。しかもカラーだし。
中身も同じくグラフィカル。図解を多用して読みやすく、理解しやすい構成。
8ページくらいだっけかな、たしか。
こんなとこまで全く手抜きなし。賽苑の人たち本気すぎてこわいです。
当然、説明書だけがすごいわけじゃない。
中身だって相当な代物。
で、

遊ぶ前に並べてみた。ピースと呼ばれる建材。
素材はEVAスポンジとかいうらしい。
台所スポンジみたいなのと違って密度が高い感じ。適度に強靭でしなる。
先端のジョイントはサイトでも言ってたけどこだわり部分。
さしやすく、脱落しにくく、でも抜きやすい。不思議。
くいっとつまんだらするりとささる。
遊んでるぶんには抜ける気配はない。
でも、片付け時にぴっと引けば抜ける。つまみながら抜く必要さえない。すげえ。
傷まないか不安になるけども、「大丈夫」って言ってたから大丈夫なのだろう。たぶん。
で、よーし、遊びながら写真撮るぞうって、始めたら、

ゲーム終了の図。ぐねぐねと伸びとりますね。
実は一回目のプレイではあまりに鮮烈過ぎて、写真撮るのを忘れていたという。
これではなんともならないなーということで、
落ち着いてプレイするぞと二回目に臨むことに。
ピースを全部抜いて、プレイヤーに分配して。
セットアップ。

各自がプレイヤー駒たるカラータグと、ピースを受け取ります。
ピースの種類は四種類。穴の数、長さ、ジョイントの数の違い。
この違いがゲームに悩ましさ、深みを与えてるわけですねー。
で、プレイ人数によってこの受け取るピース数は異なったりする。
ボード表面は布。中には素材は忘れたけど芯材が入ってるので硬い。
穴がいくつも空いていて、中心にはスタートピースを2本さす。
画像右に何本か固まって長いのが置かれてるけど、
これは傍にある赤担当のやつではなくて、ボーナスピースと呼ばれるもの。後述。
つか、赤プレイヤーはいません。三人なんで。紛らわしくて申し訳なし。
ボード上にのってる長さ違いの三本は三人プレイ時のみの処理。
各プレイヤーは初手をこのうちの一本から選んで使うことになるというもの。
ん? じゃあ先手有利?
いや、そんなことなくて、長いから有利、短いから不利になるとは言い切れない、
変幻自在な先の読めない展開が本作の売り。
プレイヤーのちょっとした思惑一つでピースの価値ががらっと変わります。
ピース一つで戦況からなにから大きく変わるなんて、もう至極当たり前のこと。

手番にすることはとてもシンプル。
手持ちのピースをどっかにさして、そのピースに自分のカラータグをさす。終わり。
次の手番からは、手番開始時に自分のカラータグがささってる穴に注目。
一旦カラータグを抜いて、自分の手持ちのピースどれか一本をその穴にさす。
もしそれがジョイント2つ付いてるピースなら、遊んでるもう一端をどこかにさす。
で、そのピース上にある穴に再度カラータグをさしなおす。終わり。
ピースをさす時に捻ろうが、押し付けようが、形整えようが、大抵のことは可。
つか、そういうチマチマとした小細工を楽しむゲームなので、むしろ極限まで色々やるべき。
目的は自分のタグを少しでも高い位置へ。これ。そのためには手段を選ばない。
子供か!っていうくらい、ほんの数ミリの結果でさえも必至に稼ぎたいところ。
そういや、カラータグは通称「トリ」というらしい。
ので、賽苑の人に習ってこの後はそういう風に呼称。
で、上の画像から、青とオレンジが手番を終えたらこうなったの図。

上に伸びました。
青は捻りつつ強度を出しながら上方向を目指すも、
下になってるピースがその重さによって若干下がってしまう。
そこにオレンジが巧みに伸びて現在一位。
ちなみにどのトリさんも、1ミリでも高さをあげるために、
穴にさすときは尻尾が上になるように整えつつさしてます。
ピースの角度を整えるのはもう基本として。
全員が一手番ずつ終えたら、盤面を全員で横から見て、
トリさんの高さ判定。
「俺が」「いや、俺が」「ナンバー・・・」「ナンバーワンだっ!」とかなる。
本作のすごいところは、この大事な判定を完全にプレイヤー判断に委ねているところ。
目視。そう、目視。
これがまた微妙な差になることもある。その時は合議。
「やっぱり俺だな」 手で見えないラインを引きつつ。
「いや、そのライン、斜めに下がってるし」 とか子供のような指摘。
ギャーギャー言いながら目線の高さを合わせて全員で盤面を見やるバカぶり。
あくまで曖昧にぼかしたことで、ガッチガチのゲームにはせず
ユルい空気と、くだらないオモシロさ、バカげた楽しみを得たという巧み。
で、グダグダ言ってトリさん暫定一番高い人が決まったら、
さきほどの「ボーナスピース」を一本受け取って好きにさせる特典がもらえる。
このボーナスピースをさすときにはトリさんの移動は起こらない。
ジョイントが二個あるピースなのだけど、必ず一方はボードたる床面にさす。
もう片方は自由なので、盤面をいじるのには最適。
布石打ったり、しならないように補強にしたり、逆に高いピースを引き下げたり。
で、次の手番の一巡はボーナスを得た人からだから、実質連続手番を行えるという。

さっきの状態のまま、ボードを廻してみたところ。
でも、連続手番が必ずしも強いわけでもない。
なぜなら本作は後手番による干渉が容易だから。
今建てたばかりのピースにえいやっとばかりにアーチをかけてより高みを目指せる。
だから先手番の人はできるだけ邪魔されないようにしないといけない。
ボーナスを優先して好き勝手に伸ばすか、
長期的に損して得とれの精神でぐっとこらえるか。
とはいえ、ゲームはものの15分もあれば終わってしまうので、
独創的な1手を試すのに躊躇いは無用。後悔もものの15分。すぐに次がある。
「次遊ぶかわからないから堅実に行こう」とか言ってる場合ではないのですよ。
その気軽さがゲーム展開をよりダイナミックにします。

長くて穴が多く、ジョイントが二個あるピースを使う時は盤面を大きく変えるチャンス。
アーチで高さを稼いだり、高い場所に接続してトップに追従したり。
でも穴が多いので、後手番の人にまんまと利用されるリスクもある。
なんせピースは変幻自在。どこからでも伸びてきますんで。
で、ここで攻防の要となるのが、ピース接触不可ルール。
手番に建築したアクティブなピースが、特に関係ない他のピースに接触したら
手痛い罰則があります。本当に痛いので、これが防護線になる感じ。
でもピースを整えたりしながら無理やり攻めることももちろん可能。むしろするべき。
ギリギリのことをするとピースが徐々に動いていくので
なんとか触れないところで止まってくれよ!と祈りながら整えたりする。

青がぐっと伸びてきた。当然トリさんの尻尾は華麗に上向き。
ピースはアーチ型の建築が必須というわけでもなく、下から引っぱっても可。
長いピースは使い勝手がいいのだけど、利用もされやすい。
短いピースは穴が少ないので邪魔されにくい。
でも短いとジョイントが両端にないから、強度がないし、上に伸びてくれないこともある。
いつ、どのピースを使うか。盤面次第だし、プレイヤー次第。
他プレイヤーとの絡み要素だけで出来てるんじゃないか、ってくらいによく絡む。
柔軟な状況判断が必要です。
あ、そうそう。
場の動きというか、想定外の出来事を楽しむために、
手番にピースをさす時は
「この穴(と、この穴)にこのピースをさします」
と宣言してから実際にさすことがルールにて推奨されています。
さしたり抜いたり試行錯誤できたらいつか完璧が生まれるかもだけど、
テンポ落ちるし、場もダレる。
だから、戦略的妄想の産物を試せるのはワンチャンスのみ。
で、「うわ、こうなっちゃうのかよ」とか「お、これは案外・・・」とか
想像の及ばない部分を楽しむのが粋。
アナログゲームならではの不確かで曖昧なオモシロさを大切にしてます。
この「スポンジのピース」っていうコンポーネントの曖昧さ・柔軟さは本当にすごいです。
そりゃもう翻弄されまくること必至。

で、黄色のトリさんが高みに登っていったの図。
青も一度は伸びましたが、後からボーナスピースで下に引っぱられるわ、
いい位置の穴が埋まってるわで上に登れずいいとこなし。
本作は手番順とトリさんの位置取りがすごく大切です。
とりあえずトリさんがささっていればそこにはジョイントできないので。
接触不可のルールと組み合わせれば、自分のピースの穴を
相手からは届かなくさせる、みたいな建設もできます。難しいけど。
だから毎度毎度高さを測って取るボーナス手番を
誰が取るか、誰から次の一巡が始まるか、とかも戦略的に考慮したいところ。
とはいえ、単純に高さを目視で測るってのは楽しいわけです。
トップ争いに絡みたくなるのは道理。「いや、俺が」って言いたいし。
たとえそれが勝利に繋がらない行為だったとしても、まあ、楽しければいいはず。
そういうのが大切にされてるゲームなはず。

オレンジが黄色に追従するもやはり勝てず終了の図。
この数瞬前まではオレンジ勝ってたんですがねえ、惜しくも及ばず。
捻り入れてピースの強度をあげて、黄色がいるピース全体を押し下げてみたら、
一時はオレンジが高くなって「おお! オレンジが勝ったよ!」ってなってたんですが、
その後黄色のいるピースが驚異的な弾性力・復元力により
重力の枷を振り払うようにゆっくりと復活。
結果、黄色のトリさんが不死鳥のように力強く浮上してきたという。
「そうだ! もう一息! あと5ミリ!」
「なにぃ!? まさか・・・っ!!!」とか言いながらピースの動きを見守る三人。
すげえドラマティック。まさかのバカぶり。たまらなくオモシロ。
素材とシステムとの相乗効果がステキすぎて悶絶。
こんなゲーム見たことない。自動復元とかなんだよもう。
なんだかんだと大騒ぎのシチュエーションが尽きないのがスバラシイです。
悩ましさ、ジレンマ、戦略性を有しながらも、ユルい。すごくユルい。
だから、ゲーマーも民間人も一緒くたに楽しめてしまう。
それぞれが好き勝手考えたり、酒飲んで騒いだりしてても、
それぞれに満足できるような遊び方ができてしまう。
「どんな人でも楽しめます」なゲームは今までもあった。
でもそれはそのプレイの時々のメンバーによって
どちらかにプレイスタイルが偏るようなものではなかったか。
しかし、本作なら本当に「同居」できます。同時成立します。
なぜなら楽しむための敷居が異常に低いから。これ。
誰もが容易に理解できるし、すぐに実感できる類のオモシロさ。
パーティゲーなみの気軽さなのに、しっかりゲームしてる。
類型の見当たらないこの完成度の高さはもはや伝説の域。
ハンパないです。いやもう、なんて言ったらいいのかわからないくらいに。

ゲーム終わって試しにボードを逆さにしてみた。
もちろんのこと、抜けません。手荒く振っても何も落ちない。
でも手で引けばすぐ抜ける。ジョイントデザインの勝利ですなー。
にしても、この光景はなんというか
ガウディの逆さ吊り模型を思い出しますね。かっこええ。
どこまでもアーティスティックなゲームですよ、いや本当。
とまあ、長々と書き散らしてみましたが、
これでどこまで本作の魅力をお伝えできたかどうか。
ルールはほぼこんな感じ。つか、説明書の写真撮ってるときに
「中身撮ってルールがわかってしまっても問題ないよ」って言ってました。
たしかに。製品ありきですしね、このゲーム。
あ、販売分ではもしかするとトリさんの色が変わってるかも。どうだっけかな?
ともあれ。
ハウラはすごいです。自信持ってオススメできます。
ゲーム遊んでこんなに感激したのは久しぶり。
このシステムと、このコンポーネントでしか成立しない唯一無二のゲームです。
同人ながら、近年稀に見る水準の高いオモシロさだと思います。
メーカー品と比べても全く遜色ないどころか、
本作より下回るアレなゲームとか結構あるよね、という世界。
ボドゲを趣味とするのならば一度は遊ぶべきな、価値のあるゲームです。
っていうかマストバイ。朝から並んででも買うべき。
こんなすごいのに50個くらいしか作らないって言ってたから即完売は必至。
できるだけ多くの人に遊んでもらうために、
まとめ買い不可、お一人様1個でお願いしますと。いやマジで。
そんなこんなで。
長文すぎてここまで読まれた人が居るかは謎ですが、
ハウラすげえ! ハウラすげえ!
と連呼しつつ。賽苑を賛美しつつ。
俺がナンバーワンだ! ということで。
伝説の幕開け。
では。
biscoさん、はろーです!お元気ですか?
ほうほうこれはEVA素材ですかあ!
私は1年前くらいからこの素材には注目しています。
何に使うかっちゅうと、ゲームを自作する時のコマをこれで作るんです。
ボードが傷まないし、しっかりしてるし非常に重宝します。
100均で”椅子の脚に貼る用”などの名目で売ってるんですが、直径2.5cmの円形の物などとてもいいですよ。片面には糊がついているのでプリントアウトしてカットした画像などもすぐに貼れちゃうんです。
他にも何種類か大きさや形の違う物があり、用途に応じて使い分けれます。
おーっ、麗しのEVA素材!
ども。元気ではないですが、生きてます。
な、る、ほ、どー。自作駒ですかー。なんか小便利そうですねえ。
なんぞ作りたくなったときには僕も使ってみることにします。
EVA素材流行りそうな予感。
EVA、EVAとか連呼してたら違う趣旨の人たちが検索でやってきそうでアレですが(笑。
つか、カッティング済みとはいえ、100均はなんでも売ってるんですなあ。
僕も実は今日久しぶりに100均に行く機会があって、わけのわからないおもちゃをいくつか買いました。
biscoさん初めまして。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
最近、biscoさんが共同アドミニストレーターを務めていらっしゃいます
「play:gameボードゲーム・データベース」に最近ちょくちょくお邪魔させて
頂いておりますホイスクと申します。
ところで・・・!!
『HAU LA』の詳細なレポートありがとうございます!
全部読みきりましたっっ!!(ハァハァ)
読んだ後、「生きてる間に一度はプレイしてぇ!」という
思いを一層強く致しました。
私はまだボードゲーム歴が半年ちょっとということもあり、
自他共に認める「初心者」なのですが、(かなりのめり込みつつありますが・・・)
そんな私から見ても、この「賽苑」という集団のセンスというか着眼点には
ホント感心させられます。本当にスゴイ!!カッチョイイ!!
ゲームはどれも、デザイン、着想においてゲーマー的なものを感じさせず、
完全なアート作品に仕上がっておりますし、HPも本当に洗練されておりますものね。
子供と一緒にゲームを楽しむ程度の私にとっても、
(pgdbでも子供ゲームの評価ばかりです(笑))
「賽苑」さんの切り口からでしたら(ゲームの世界に)大変入り込み易いです。
biscoさんが『マングローブ』のレポートでおっしゃっておられました、
「言うなればゲーム的なオモシロではないです。決して万人にオススメできません。
でもこういうのを求める層は確実に存在すると思う。潜在的に。」は
まさに的を射ていらっしゃると思います。
私も細々とではありますが、周りの友人に「ドイツゲームの素晴らしさ」を
説いて回っているのですが、このゲームは所謂非ゲーマーと呼ばれる層への
キラーコンテンツの一つになるかも知れませんね!
このような作品が日本からどんどん出てくれば
ボードゲームを取り巻く環境も変わってくるかも!
・・・思いつくまま取り留めもなく書き連ねましたので、読みづらい点も
多くあったかとは思いますが、お許し下さい。長文、乱文失礼致しました。
biscoさん達の今後のご活動に期待致しております!
[2009/06/02 12:24]
ホイスク
[
編集 ]
「biscoさんが共同アドミニストレーターを務めていらっしゃいます
『play:gameボードゲーム・データベース』~」
の部分ですが・・・大変失礼致しました!(汗)
これはbiscoさんではなく、けがわさんでしたね・・・。
私の中で「biscoさん=スゴイ人」「けがわさん=スゴイ人」
∴「biscoさん=けがわさん」といういう公式が勝手に
出来上がってしまっておりました・・・。
別人でいらっしゃることは十分認識しておったのですが・・・
大変失礼致しました。
[2009/06/02 13:30]
ホイスク
[
編集 ]
コメントどもです。今気付きました。放置しすぎてすません(陳謝。
けがわさんと間違えられていて吹きました(笑。
いやなんかもう、僕なんかは木っ端も木っ端なので、
てんでアレということもあり、このような辺境ブログの管理者止まりです。なんともはや。
にしても、この所感は本当に意味もなく勢いがついてましたねえ。最後まで読んでいただいてありがとうございます。おそらく最後まで読まれた方は、片手で数えられる程度しかいないのではとか思っていたり。
で、今、賽苑のことについて色々書いてみたんですが、なんとなくエントリーとして残しておきたくなったので、カット&ペーストして、短い文章にまとめて別であげることにします。すません。
また何かあれば気軽にコメント入れてやってくださいね。
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